2006/05/08
エキシビジョンマッチプロツアー 『TOUR-N』 レポート
観光客で賑わう京都駅からバスでおよそ15分。京都、山科の野を足元に望む東山テニスクラブで、2年ぶりに復活した『TOUR-N』が国内男子トッププロを招いて行われた。5月6日土曜日は晴れ時々曇り。センターコートの周囲に建てた特設スタンドには約300名の観客が詰め掛けた。
7年前に始まったTOUR-Nは、今回で22大会目を数える。4人の男子プロによるシングルス・トーナメントとして行われるこのエキシビションマッチには、全日本選手権優勝、もしくは国内ランキング8位以内という厳しい参加条件がある。今回参戦した鈴木貴男、本村剛一、岩渕聡、増田健太郎もそれぞれ全日本チャンピオンの経験がある日本トップ選手だ。 「普段は海外に出て転戦しているので、日本で試合をすることは少ない。日本のファンにもプレーを見てほしい。」この大会の魅力は、通常の大会ではありえないほどの選手との距離だ。ボールがしょっちゅうスタンドに飛んでくるため、観客も気が抜けない。選手がボールを打つたびに、ショットの音が間近で聞こえ、迫力満点だ。また、WOWOW、GAORAでテニスの実況を務める鍋島昭茂アナウンサーの解説もあって、そんなにルールに詳しくなくても楽しめるものになっている。 シングルス第1試合は、一昨年現役引退し、現在はデビスカップ日本代表のコーチを務める増田選手と、肩の怪我からの復帰を期す鈴木選手が対戦。サーブ&ボレーを武器に鈴木選手がストレートで増田選手を下して初戦を勝利で飾った。 続いて、東山テニスクラブのコーチペアが、鈴木選手・本村剛一選手ペアにダブルスで挑んだが、あえなく完敗。デビルマンに扮し笑いを取ったコーチ陣だったが、健闘空しく散ってしまった。その後には、増田選手&鈴木選手ペアと、本村選手&岩渕聡選手の柳川高校ペアがダブルスで激突し、笑いあり、真剣勝負ありの楽しい内容で、本村&岩渕ペアが勝利。 第2試合では、本村選手と岩渕選手が対戦。速いスイングからのスピードボールが持ち味の本村選手と、角度の付いたアングルショットで攻める岩渕選手のラリーは公式戦さながらの迫力で、観ているほうにも思わず力が入った。この試合は本村選手が6-2, 6-2で勝利し、決勝へと駒を進めた。 日曜日の天気予報が雨ということで、土曜日の日程が終わった後にナイターで翌日の日程も行われた。シングルス決勝では鈴木選手VS本村選手という好カードが実現し、大熱戦が演じられた。互いに負けじと、意地の張り合いにも近い接戦は、5-4で鈴木選手がリードしたところで雨天中止。しかし、日本トップ選手のぶつかり合いに、観客も大満足の試合だった。 今回限りの復活だったTOUR-Nだが、観客はトップ選手の技術を間近で見て、選手はファンサービスに徹する。テニスの楽しさを伝える非常に面白いイベントであった。 |
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